人事・労務担当者が教える法的知識と実践ガイド_【Vol.4】

予防こそ最善の策!「風通しの良い職場」の創り方
皆様、こんにちは。 人事・労務担当のフクさんです。
朝晩は過ごしやすくなり、秋の気配を感じますな。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、そして…「ハラスメント撲滅の秋」!と、うまくまとめてみましたが…なんて、失礼しました。
今回のテーマは「予防こそ最善の策!ハラスメントのない風通しの良い職場文化を創るために」です。
最高の対策は「起こさせない」こと
病気になってから治療するよりも、日々の健康管理で病気を予防する方がずっと良いですよね。これは組織のハラスメント対策も全く同じです。
問題が起きてから対応する「事後対応」には、多大なエネルギーとコストがかかり、当事者には深い傷が残ります。
最も理想的なのは、そもそもハラスメントが起きない、あるいは起きにくい「予防的な職場環境」を、日頃から組織全体で創り上げていくことなのです。
「風通しの良い職場」の本当の意味とは?
ハラスメント予防のキーワードは「風通しの良い職場」です。これは単に「仲が良い」ということではありません。本当の意味で風通しが良いとは、
- ✅役職や年齢に関係なく、建設的な意見を自由に言える。
- ✅困ったときに、気兼ねなく「助けて」と言える心理的安全性がある。
- ✅多様な価値観や働き方が尊重され、互いの違いを認め合える。
- ✅失敗を個人攻撃せず、組織の学びとして次に活かせる。
といった文化が根付いている状態です。
このような職場では、ハラスメントの原因となる不満や誤解が溜まりにくく、問題の芽は育ちにくいのです。
ハラスメントを許さない土壌をつくる4本柱
では、どうすれば「風通しの良い職場」という理想的な土壌を耕せるのでしょうか。それには、組織全体で取り組むべき4つの重要な柱があります。
📌1.経営トップの強いコミットメント
・トップが「ハラスメントを絶対に許さない」という断固たる姿勢を繰り返し発信します。
📌2.継続的な教育・研修
・階層別に最適化した研修を定期的に実施し、全従業員の意識をアップデートします。
📌3.コミュニケーションの仕組み化
・1on1ミーティングやメンター制度などを導入し、対話の質と量を高めます。
📌4.多様性の尊重(D&I)
・違いを強みとして活かす考え方を浸透させ、誰もが尊重される環境を創ります。
これらの柱を地道に築いていくことが重要です。
明日からできる!予防アクションプラン
組織的な取り組みと合わせて、私たち一人ひとりができることもたくさんあります。明日から実践できるアクションプランを提案します。
💡1.【管理職の方へ】「聴く」時間を意識的に作る
週に一度でも部下の話にじっくり耳を傾ける時間を設けましょう。指導する際は感情的にならず、事実ベースで伝える「諭す」コミュニケーションを心がけてください。
💡2.【全従業員の方へ】「良い傍観者」になる勇気を持つ
不適切な言動を見かけたら、見て見ぬふりをしないでください。被害者に声をかけたり、窓口に情報提供したりすることも、立派なハラスメント防止活動です。
💡3.【全員で】ポジティブな言葉を意識して使う
「ありがとう」「助かります」「いいね!」。感謝や称賛の言葉が、職場の心理的安全性を高めます。
ハラスメント対策は未来へのポジティブな投資
4回にわたり、ハラスメント対策についてお届けしました。
この取り組みは、単なるリスク管理ではありません。
それは、すべての働く人が尊重され、活き活きと能力を発揮できる職場、ひいてはより良い社会を創るための、未来へのポジティブな投資です。
このマガジンが、皆様の職場を見つめ直す一助となれば、これに勝る喜びはありません。
