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人事・労務担当者が教える法的知識と実践ガイド_【Vol.3】

更新:2025年09月17日
万が一の時、どう動くか?

もしもハラスメントが起きたら?相談から解決までの実践プロセス

皆様、こんにちは。 人事・労務担当のフクさんです。

まだまだ残暑厳しいですが、体調崩していませんかな?

秋に早く来てほしいですな。職場のハラスメントがなくなれば、社員の士気も高揚しますぞ。紅葉だけに…なんて、失礼しました。

木々の緑が日増しに深くなるこの季節。問題解決も、絡まった糸を一本一本丁寧にほぐしていくように、地道な作業が大切だと日々感じています。

第3回のテーマは「もしもハラスメントが起きてしまった場合の、相談から解決までの実践プロセス」です。

万が一の事態に、どう動くべきかを解説します。

勇気ある相談と、それを受け止める覚悟

ハラスメントの被害を打ち明けることは、被害者にとって非常に勇気がいる行動です。

  • 「相談したら、かえって状況が悪化するのでは」
  • 「自分の勘違いだったらどうしよう」

こうした大きな不安を乗り越えて発せられたSOSを、私たちは真摯に受け止めなければなりません。

特に会社の相談窓口や管理職には、その勇気に誠実に応える「覚悟」が求められます。初期対応の姿勢が、その後の解決プロセス全体を大きく左右することを、心に留めておく必要があります。

機能していますか?あなたの会社の相談窓口

法律で設置が義務付けられた「相談窓口」は、ハラスメント対策の心臓部です。

しかし、ただ設置されているだけでは意味がありません。「誰でも安心して相談できる」と従業員に信頼されて、初めてその機能を発揮します。

良い相談窓口の条件とは、

  • 相談方法が複数用意されている(対面、メール、外部窓口など)
  • ✅プライバシーの厳守が約束されている
  • ✅相談者が不利益な扱いを受けないことが保証されている
  • ✅窓口の存在と利用方法が全従業員に周知されている

ことです。

自社の窓口が、本当に機能する状態になっているか、一度確認してみてください。

解決へのロードマップ!対応の5ステップ

ハラスメントの相談を受けたら、会社は感情的にならず、定められた手順に沿って冷静かつ迅速に行動する必要があります。

標準的な対応プロセスは、以下の5ステップです。

  • 1.相談受付
    • ⇒まずは話を遮らずに丁寧に聴き、プライバシー保護を約束します。
  • 2.事実調査
    • ⇒相談者の同意を得て、当事者双方や第三者から公平に話を聞きます。
  • 3.事実認定と措置検討
    • ⇒調査結果に基づき、ハラスメントの有無を判断し、行為者への処分や被害者のケアを検討します。
  • 4.措置の実施と説明
    • ⇒決定した措置を実施し、関係者にその理由を説明します。
  • 5.再発防止策の実施
    • ⇒研修の強化など、同様の問題が二度と起きないための対策を講じます。

この流れを組織内で共有しておくことが重要です。

人事が語る、ハラスメント対応3つの核心

この一連のプロセスにおいて、私たちが最も重視している「核心」を3つお伝えします。

相談担当者は、どちらか一方に偏ることなく、常に中立的な立場でなければなりません。予断を排し、客観的な証拠に基づいて判断する姿勢が信頼の基礎となります。

対応が遅れるほど、当事者の精神的負担は増し、解決は困難になります。相談を受けたら迅速に調査を開始し、進捗を適宜報告するなど、誠実な対応が求められます。

調査で知り得た個人情報は、絶対に漏らしてはなりません。関係者からのヒアリングも必要最小限に留め、秘密保持を徹底することが二次被害を防ぎます。

問題を乗り越え「雨降って地固まる」組織へ

ハラスメントの発生は、企業にとって非常に不幸な出来事です。

しかし、その問題から目をそらさず、真摯に向き合い、適切に対処することで、職場の課題が浮き彫りになり、より良い組織へと生まれ変わるきっかけにもなり得ます。

「雨降って地固まる」という言葉のように、問題を乗り越える経験が、組織をより強く、たくましくするのです。

次回は「予防こそ最善の策!風通しの良い職場文化の創り方」です。